馬渕恵里准教授

Profile:

1982年生。2005年大阪大学文学部卒業。2010年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。関西外国語大学講師、准教授を経て、2024年4月より現職。

Research Interests: 

「小説」(novel)はその英訳が示すとおり、18世紀に登場した新しい文学ジャンルで、イギリスでは19世紀に飛躍的な発展を遂げました。ジェイン・オースティン、ブロンテ姉妹、ジョージ・エリオットなど18世紀末~19世紀のイギリス女性作家の小説のテーマや内容を、各作品に特徴的な形式や技法と関連付けて分析しながら、各作家が小説をどのようなものと捉え、どのような小説の創作を意図し、その中で何を提示しようとしていたのか、さらには、小説の発達・変容の過程とその要因について研究しています。

Message:

文学作品について論じることは感想文を書くこととは異なります。主観的な印象や感想が出発点ではありますが、テクストに残された手がかりをもとにテクストの精緻な読みと分析を通して辿りついた自分の「読み」が、1つの解釈として成立し他人にも認められるよう、十分な根拠をテクスト内外から集め適切な言葉で論証するプロセスは論理的なもので、客観的な視点も不可欠です。自分の解釈を裏付ける証拠を発見できた時の喜びや、生みの苦しみの後に自分の読みを提示できた時の達成感や爽快感をぜひ味わってみて下さい。

Books & Articles: 

「JaneとSt. Johnの<黙示録>――Jane Eyreのエンディングを読む」(『ブロンテ・スタディーズ』第4巻第6号、2008、単著)、

『ジェイン・オースティンの生涯――小説家の視座から』(世界思想社、2009、共訳)、

『あらすじで読むジェイン・オースティンの小説――「ノーサンガー・アベイ」「分別と多感」「高慢と偏見」「エマ」「説得」その他』(大阪教育図書、2012、共著)、

“Name Manipulation as Encoding: Narrative Strategy of Villette”(『英文學研究支部統合号』第5巻、2013、単著)、

『エミリ・ブロンテの日記』(大阪教育図書、2013、共訳)、

『ブロンテ姉妹と15人の男たちの肖像――作家をめぐる人間ドラマ』(ミネルヴァ書房、2015、共著)、

『英語のデザインを読む』(英宝社、2015、共著)、

『歴史のなかのブロンテ』(大阪教育図書、2016、共訳)、

「Austen流の『書き方』――Mansfield Parkに見られる小説技法をめぐって」(『ジェイン・オースティン研究』第14号、2020、単著)

Office Hour: 

Friday 12:20-13:20  文学部本館 4F Room 419

Courses: 

ジェイン・オースティンの小説とイギリス歴史・社会・文化

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