石割隆喜教授
Profile:
1970年生。大阪外国語大学外国語学部(英語学科)卒、大阪大学大学院文学研究科博士課程(英文学専攻)修了。博士(文学)(大阪大学、1999年)。大阪外国語大学助手、同講師、同助教授、同准教授を経て、2007年10月より大阪大学大学院文学研究科准教授。2019年度より同教授に着任。
Research Interests:
トマス・ピンチョンら、ポストモダニストと称される作家の作品ははたして「小説」と呼べるのか。「小説」は歴史のある時点で興り、今もしかしたらその役目 を終えつつあるのかもしれないという、小説形式の歴史性とでも呼ぶべき問題に関心を抱いている。20世紀後半以降のポストモダン文学の分析を通して、広く 近代という歴史的条件の中で「小説」がどのような役割を果たしてきたのか、「小説」という形式を必要としたのはどのような「人間」だったのか、といったこ とを探ってゆきたいと考えている。
Message:
そのままではまず使いこなせない機械の箱、ハードウェアであるコンピュータと、われわれユーザーとの間を仲立ちしてくれるのがOS(オペレーティング・シ ステム)というソフトウェアであるように、文化とはわれわれ人間と環境(ハード)とのあいだを取り持ってくれる「ソフト」だといえるのではないでしょう か。その「ソフト」の一つ(たった一つ!ほかにも無数にあります)が「小説」――このような風通しのよい視点をもちながら「小説」についてもう少し深く考 えてみませんか。
Books & Articles:
Postmodern Metamorphosis: Capitalism and the Subject in Contemporary American Fiction. Eihosha (2001)
「ポストモダンを目撃するということ――『小説の死』再考」 鴨川卓博・伊藤貞基 編『身体、ジェンダー、エスニシティ――21世紀転換期アメリカにおける主体』 英宝社 (2003)
「ヘーゲル主義者、Stencil――V. の他者」 『英文学研究』81 (2005)
「死者の〈怨〉の二つの型――フロイトの『文学』、Vinelandの“Cahmmunism”」 『関西英文学研究』1 (2007)
「シュールリアリスティックな資本主義――Gravity’s RainbowあるいはPynchonの『ポスト・ノヴェル』」 『英文学研究』85 (2008)
“Rainbow’s Light: Or, ‘Illuminations’ in Thomas Pynchon’s Gravity’s Rainbow,” The Japanese Journal of American Studies 24 (2013)
『現代作家ガイド7 トマス・ピンチョン』彩流社 (共著、2014)
「小説の非人間化――ポストモダニズムとポストヒューマン」 『言葉のしんそう(深層・真相)――大庭幸男教授退職記念論文集』 英宝社 (2015)
三浦玲一著『村上春樹とポストモダン・ジャパン――グローバル化の文化と文学』書評,『英文学研究』93, 179-184,2016年12月
Office Hour:
Tuesday, 9:45 – 10:30 am, 12:00 – 12:45 pm, 豊中総合学館7F, Room 703
Email:
ishiwari[at]let.osaka-u.ac.jp
Courses:
「小説」とは何か
偶然と文学
(詳しくはLink内シラバスを参照)
研究者総覧URL: http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=4836&k=石割&kc=1&sm=keyword&sl=ja&sp=1